グアムの新しい会社合併法

August 7, 2009

グアムでは米軍移転に伴う公共インフラの充実が進みつつありますが、法整備の面でも同様のことが言えます。その一例が、Public Law 28-180、すなわち2007年1月29日に制定された「会社法の改正に関する法律(Act Relative to Updating the General Corporations Law)」です。Public Law 28-180の制定前は、グアムでは、親会社が子会社を吸収合併する略式会社合併しか認められておらず、独立した会社の合併を認める条項は存在しませんでした。しかし、最近のグアムの経済発展と島外からの投資に鑑み、アメリカの他州会社法と整合性を持たせるため本改正が行われました。アメリカの多くの州は、アメリカ模範会社法という、アメリカ弁護士会の発行する法律モデルを採用していますが、グアム会社法も、Public Law 28-180で、模範会社法における合併、株式交換、事業譲渡、そして株主による異議申立権に関する条項を採用しました。グアムの新しい会社合併法の注目点は以下のとおりです。

1.合併の効力

合併の効力発生によって、合併の当事者である会社は全て存続会社に吸収され、他の会社は消滅します。消滅会社所有の不動産を含む資産および債務は、完全に存続会社に移転します。消滅会社の株式は、存続会社の株式、債務、または証券に変換され、消滅会社の株主には、合併契約に定められた権利、もしくはグアム法に定められた異議申立権が認められます。存続会社の定款は合併計画に定められた範囲で修正されます。

2.株主の承認が必要な場合

会社の取締役会が合併計画を承認したあと、取締役会は株主総会にこれを諮り、合併につき承認を受ける必要があります。合併計画が承認されるためには、取締役会が株主に対して合併を推奨し、議決権ある株主による決議での承認が必要となります。取締役会は合併計画に自由に条件を定めることが出来ます。会社は、議決権があるかどうかにかかわらずその株主全員に株主総会開催を通知する必要があります。その召集通知には、目的(のひとつ)が合併計画の検討であることを記し、さらに合併計画のコピーを添付する必要があります。合併計画が承認されるには、会社の定款が別途可決要件を加重したり、種類株式グループによる投票を定めたり、もしくは取締役会が加重投票の条件を定めない限り、株主の投票権の過半数の賛成が必要です。

3、取締役会による承認で合併が有効となる場合

グアム会社法で定められた以下に説明する特定の場合には、株主総会の決議が不要で、取締役会による決議で十分です。
(1)存続会社の定款が以下の点を除いて変更されない。①設立時に法律によって存続期間が定められている場合に、その期間を延長すること、②当初の取締役の名前と住所を抹消すること、③グアム歳入課税局長に提出、登録されている代理人や事務所の名前、住所を抹消すること、④会社が一種類のみの株式を発行している場合に、その発行済みおよび未発行の株式を、より多くの数量の株式にすること、⑤名称で”Corporation”, “Corp.”, “Inc”, Ltd”といった文字の置き換えや省略、または地理的属性の変更をすること、⑥会社法の規定に違反しない限りにおいての存続会社の名称変更(以下“許される変更”と呼びます。)。
(2)合併の効力発生直前の段階における存続会社の発行済株式を持つ株主が、合併直後にも、従前と同じ数、種類、優先配当権、制限付の株式を持つ。
(3)利益配当権付株式と取締役選任議決権付株式それぞれにつき、合併直後の発行済株式数と、(合併による証券の変更または新株引受権の行使のいずれかにより)合併に基づき発行が可能となる株式数の合計が、合併直後の存続会社の発行する株式数の20%を超えない。

4、グアムの会社と州外(海外)会社との合併

新しい会社合併法では、グアムの会社と州外(海外)会社との合併も可能になりました。以下の場合、州外(海外)会社はグアム会社と合併が可能です。①州外(海外)会社が設立された州もしくは国の法律が合併を許しており、当該合併が当該州又は国の合併法に準拠している、②州外(海外)会社が存続会社である場合、必要とされる登録をすること、③グアム会社がグアム合併法に準拠している。存続会社が外国会社である場合、存続会社は、歳入課税局長を、グアム国内会社の株主異議申し立てに関する権利義務に関する手続きの代理人に任命したと見なされます。

5、親子会社合併

グアムの新しい合併法は、従前の簡易合併に関する規定を廃止し、新しい規定を準備しました、子会社の90%以上の発行済み株式を有している親会社は、以下の定めを含む合併計画を採用した場合には、それぞれの会社の株主の承認なく、その子会社を吸収することも、また子会社に吸収させることも可能です。①親会社と子会社の名称、②消滅会社の株式の、存続会社その他の会社の株式、義務、その他の証券、または(全部もしくは一部の)金銭もしくは他の財産への変換方法。
親子会社合併の場合には、取締役会決議による合併の場合と同じく、上述の“許される変更“のみ存続会社の定款に規定することが出来ます。

新しい会社合併法、もしくはグアム会社法に関してより詳細な情報が必要な場合には、当事務所へご連絡ください。